ひと昔前までは、遠く故郷を離れても、お盆には夫婦、子供、孫全員揃って先祖の墓参りに出掛けたものです。最近ではこうした墓参りを見掛けることも少なくなりました。このところ、宗教や葬式とは無縁になるような淋しい動きがあります。世の中は断捨離、墓じまい、永代供養、家族葬、無葬儀といった流れに向かっているような気がします。

実際に身内だけの家族葬で済ませる家が多くなりました。時代の流れとは言え一抹の寂しさを禁じ得ません。葬式が減れば葬儀屋、喪服、飲食、住職などが痛手を被ります。せめて無葬儀と言わず、簡素化してでもいいので葬儀を執り行って欲しいものです。故人を偲び、あの世へ送り出すセレモニーはかけがえのないものです。きちんと正装して、こころからお見送りをすべきではないでしょうか。